ペインクリニック内科
麻酔科診療案内
麻酔科
病名がわかっているのに長く続く痛みやしびれ、
突然起こった肩・首・腰の痛みや神経の失調に
悩んでいませんか?
我慢している痛みを
和らげる治療があります。
神経ブロック治療
神経ブロックとは、注射と針を用いて痛みの部位やその原因となっている神経や関節に直接局所麻酔薬を投与する方法です。局所麻酔薬は手術でも使われますが、ある程度の時間が経てば効果が切れる薬です。痛みの症状によっては少量のステロイドやアルコールを使用することもありますが、長期に継続して投与するわけではないので、全身への影響はほとんどありません。
神経ブロックは初期には盲目的におこなわれていましたが、現在は優れた医療機器を用いる方法に進化しています。当クリニックでは、大学病院レベルの高解像度の超音波診断装置と、整形外科手術でも使用するX線透視装置をブロックの種類に応じて使い分け、合併症と苦痛を減らすためにできるだけ細い針での治療を行います。X線の照射時間は数秒ですので飛行機に乗った時に浴びる放射線量よりも少なく健康への影響はほとんどありません。
痛みの部位と主な神経ブロック
- 【頭部・顔面】
- 星状神経節ブロック、三叉神経ブロック、後頭神経ブロック
- 【肩】
- 星状神経節ブロック、肩甲上神経ブロック、肩峰下滑液包ブロック、肩関節ブロック、頚椎椎間関節ブロック
- 【腕】
- 星状神経節ブロック、頚部硬膜外ブロック、頚椎神経根ブロック、腕神経叢ブロック
- 【体幹部】
- 胸部硬膜外ブロック、胸椎神経根ブロック、胸椎椎間関節ブロック、胸部傍脊椎ブロック
- 【腰下肢】
- 腰部硬膜外ブロック、腰部神経根ブロック、腰椎椎間関節ブロック、後肢内側枝ブロック、腰神経叢ブロック、
仙腸関節ブロック、梨状筋ブロック、坐骨神経ブロック、股関節ブロック、膝関節ブロック - 【その他】
- 内臓神経ブロック、不対神経節ブロック、腰部交感神経節ブロック、トリガーポイント注射
脊髄刺激療法
①脊髄刺激療法/Spinal Cord Stimulation (SCS)とは
- 脊髄に感じない程度の微弱な電流を流すことで、神経が障害されて生じる痛み、血流が悪くなって生じる痛みを緩和するための手術療法です。
- 脊椎の手術をしたのに再発した痛みや、神経ブロックの効果が短い、耐えられない痛みをコントロールし、生活の質を上げることを目標とする治療です。
- 世界で35万人以上、日本国内では6000人以上がSCSによる治療をうけています。
②なぜ痛みに効くのか
- 痛み刺激は大脳に届くまでの間に脊髄の後ろ側を通過します。ここに電気刺激を与えると、痛みの伝達を抑制する物質が増加・活性化し、神経の興奮を抑えるように作用する事で痛みが和らぎます。
- 電気刺激によって神経の末端では血管拡張物質が増加します。その結果交感神経系が抑制される事で痛みが和らぎます。
③対象となる疾患
(1)脊椎・脊髄疾患による腰下肢痛
- 腰部脊柱管狭窄症
- 脊椎手術後に再発した痛み
- 腰椎多数回手術
- 癒着性くも膜炎
(2)脊椎・脊髄疾患による頚部・肩・上肢の痛み
- 頚部脊柱管狭窄症
- 頚部手術後に再発した痛み
(3)末梢血管障害(PAD)による痛み
- 閉塞性動脈硬化症(ASO)
- バージャー病
- レイノー病、レイノー症候群
(4)その他の疾患
- 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)
- カウザルギー
- 断端痛、幻視痛
- 帯状疱疹後神経痛
- 脳卒中後の肩手症候群
- 多発性硬化症
④具体的には何をするのか
- 全身麻酔下にうつ伏せになります。
- 背中の真ん中に2-3cmの傷をつくり、脊髄刺激のための細いリードを1-2本、脊髄の外側にある硬膜外腔というところに留置します。
- リードの端をジェネレーター(ペースメーカーのような刺激装置)につなげます。
- お尻の上のところに5cmほどの傷をつくり、ジェネレーターを脂肪の中に設置します。
- 効果を確認するために、まずリードの挿入だけをすることが可能です。
- 1週間程度入院していただき、機械の操作法に慣れていただきます。
- ジェネレーターは充電式と非充電式が選べます。
- おしりに埋め込んだジェネレーターの上にコントローラーを置く事で、患者さん自身で刺激の調整が可能になります。


⑤注意事項
(1)併用できない医療機器・治療
- MRI (機器の種類によっては可能)
- ジアテルミ
(2)注意が必要な医療機器・治療
- 放射線治療
- 体外式除細動器
- 砕石術
- 電気焼灼(単極焼灼器は使用しない)
- 高出力超音波検査
(3)日常生活
- 日常生活に支障をきたす可能性は低いです。
- 思い物を持ち上げたり、激しい運動でリード位置がずれると適切な刺激が得られないために効果がなくなり、再手術が必要となる恐れがあります。
- 非常強い磁気を発生する家電製品で電源が切り替わる可能性があります。
- 防犯ゲート・金属探知機・電気自動車の充電で影響を受ける可能性があります。空港のゲートなどでは患者手帳を提示し、手によるセキュリティチェックを要求してください。特にジェネレーター部位は注意が必要です。
⑥費用について
70歳以上現役並みの所得者
(1)区分Ⅰ(月収28万以上、課税所得145万円以上)80100円+(医療費―267000)×1%(多数該当時:44400円)(2)区分Ⅱ(月収53万以上、課税所得380万円以上)167400円+(医療費―558000)×1%(多数該当時:93000円)
(3)区分Ⅲ(月収83万以上、課税所得690万円以上)252600円+(医療費―842000)×1%(多数該当時:140100円)
薬物療法
鎮痛薬には多くの種類がありますが、ジリジリ、ピリピリ痺れるような慢性的な痛みに対しては一般的な鎮痛薬であるロキソニンやボルタレンなどは効果が得られづらく、胃粘膜や腎機能への副作用が出る場合もあります。このような痛みに対しては鎮痛補助薬と呼ばれる抗けいれん薬、抗うつ薬などが有効ですが、眠気やふらつきが生じることがあります。患者さんによっては副作用の少ない漢方薬を処方することもあります。
ボトックス注射
顔面けいれんや目の周辺がぴくつく眼瞼けいれん、首がゆれてしまう痙性斜頚、重度な腋の多汗症の治療に使用します。一部保険外診療となりますのでご相談ください。
ペインクリニック内科で診ることができる症状・疾患
- 首から肩、腕にかけての痛みとしびれ:頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群
- 肩の痛み:五十肩(肩関節周囲炎)、腱板断裂、石灰沈着性腱板炎
- 背中の痛み:胸骨圧迫骨折、肋間神経痛
- 腰の痛み:腰椎椎間板症、腰椎椎間関節症、仙腸関節症、変形性腰椎症、腰椎変性すべり症
- 腰から下肢にかけての痛みとしびれ:腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群
- 頭痛、顔面痛:偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、三叉神経痛
- 閉塞性動脈硬化症による下肢痛
- 糖尿病による神経障害に伴う痛み
- 帯状疱疹
- 顔面痙攣
- 重症腋窩多汗症
- 術後神経痛
- 癌性疼痛
初めて受診される方へ
- 当科は予約優先制となっておりますので、お電話またはインターネットでご予約ください。
- インターネット予約にて事前に問診票にご記入いただく事で、待ち時間を減らすことができます。
- 治療の種類によって順番が前後することもありますのでご了承ください。
- ブロック治療前にはレントゲン撮影や採血検査が必要となることがあります。
- ブロック治療後には30-45分程ベッド上で安静にしていただきます。そのため、できるだけ早い時間帯での受診をお勧めしております。
- ブロック治療後当日はご自身での自動車運転はお控えください。
- 局所麻酔薬による神経ブロックは週に1回程度を繰り返すことで効果が出る場合が多いです。
- 初診の方は検査結果 や病状の説明、治療後の安静時間などで多めに時間がかかりますので、お時間に余裕をもってご来院ください。
【下記のものをご持参ください。】
- 健康保険証
- 毎月ご持参ください。
- お薬手帳
- 服薬中のお薬のある方はお持ち下さい。
- 紹介状
- 他の医療機関を受診中の方は、可能であればお持ちください。
- 画像データ
- MRI、CTなどの画像データをお持ちの場合。
受診から治療を受けるまで
- 保険証を持って窓口にお越しください。
- 問診票をご記入いただき、体温を測ります。
- 中待合でお待ちください。
- 診察室にてお話しを伺いながら診察します。
超音波を使用することも多いです。 - 治療法によって、痛みの部位のレントゲン撮影や血液検査を行います。
- 検査の結果をふまえて、どのような治療をするかの説明をします。
神経ブロックによっては血液検査の結果が出るまで行えないものもありますので、お急ぎの方はご相談ください。 - 処置室かX線透視室で神経ブロックを行います。
- ブロック後はモニターを装着したまま、
30~45分程ベッドで安静にしていただきます。 - 問題なければ、会計後ご帰宅いただきます。
処方がある場合は調剤薬局でお受け取りください。
再診される方へ
- 当科は予約優先制となっておりますので、再診の場合もお電話またはインターネットでご予約ください。
- 毎月保険証をご提示ください。
- お問い合わせ
- 0166-21-7011