神経ブロックは痛い・怖いと思っている方へ|痛みの実際・安全性・副作用を旭川専門医が解説

2026.05.06ペインクリニック内科・麻酔科

「神経ブロック療法って、ものすごく痛いと聞いた」「神経に注射するなんて怖い」「副作用が心配で踏み出せない」。そんな不安から、痛みに悩みながらもペインクリニックへの受診をためらっている方は少なくありません。

神経ブロック療法に対して痛い・怖いというイメージを持つのは自然なことです。しかし実際には、注射の種類・部位・医師の技術・クリニックの工夫によって、その痛みは大きく異なります。「思ったより全然痛くなかった」とおっしゃる患者さんが多いのも事実です。

この記事では、ペインクリニック専門医の立場から、神経ブロック療法の実際の痛み・安全性・副作用・当院が実践する痛みを軽減するための工夫まで、正直にわかりやすく解説します。

「神経ブロック療法は痛い」というイメージは本当か

神経ブロック療法に対して抱かれやすい不安とは

神経ブロック療法に対して多くの方が抱く不安は、主に「注射そのものの痛み」「神経を傷つけるのではないかという恐怖」「副作用や合併症への心配」の3つに集約されます。これらの不安は決して根拠のないものではなく、神経ブロック療法が医療行為である以上、一定のリスクが伴うことは事実です。

ただし、こうした不安の多くは「神経ブロック療法」という言葉から連想される漠然としたイメージによるものが大半です。実際にどのような処置なのかを正しく知ることで、不安を現実的なレベルに落とし着いて検討できるようになります。

実際の痛みはどの程度か

神経ブロック療法を受けた患者さんに感想を聞くと、「思っていたより全然痛くなかった」とおっしゃる方が多くみられます。もちろん注射ですので、まったく痛みがないとはいえません。皮膚に針が刺さる際のチクっとした感覚、薬液を注入する際のズーンと広がるような感覚が生じることがあります。しかし、これらは多くの場合ごく短時間で治まります。

痛みの感じ方には個人差があり、処置の部位・種類によっても異なりますが、「我慢できないほど痛い」という体験をされる方は少数です。

神経ブロックの種類によって痛みは大きく異なる

一口に神経ブロック療法といっても、その種類は非常に多く、処置する部位・深さ・アプローチ方法によって感じる痛みは大きく異なります。比較的浅い部位へのトリガーポイント注射や星状神経節ブロック療法は痛みが少ない傾向があります。一方、脊椎の深部にアプローチする硬膜外ブロック療法や神経根ブロック療法は、部位によっては一定の疼痛を伴うことがあります。症状に応じてどの神経ブロック療法が最適かは医師が判断しますが、不安な点は診察時に遠慮なくご相談ください。

神経ブロック療法が痛い理由と痛みのメカニズム

注射針が届く深さと部位による違い

神経ブロック療法は、痛みの原因となっている神経やその周囲に局所麻酔薬を届けるために、通常の筋肉注射や皮下注射よりも深い部位に針を進める場合があります。体の深部に位置する神経(脊椎周囲の神経根・硬膜外腔・交感神経節など)へのアプローチでは、針が通過する組織が多くなるため、浅い部位への注射より疼痛が生じやすい傾向があります。ただし事前の局所麻酔や画像ガイド下での処置によって、この疼痛を大幅に軽減することができます。

神経鞘内ブロック療法と神経鞘外ブロック療法の違い

神経ブロック療法には、神経を保護する外膜(神経鞘)を貫いて直接神経に薬液を届ける神経鞘内ブロック療法と、神経鞘の外側の空間に薬液を注入する神経鞘外ブロック療法(神経鞘外・硬膜外アプローチなど)があります。神経鞘内ブロック療法は効果が強い反面、処置時に強い疼痛が生じやすい傾向があります。一方、神経鞘外ブロック療法は神経への直接的な刺激が少なく、処置時の痛みや感覚が抑えられやすい方法です。当院では患者さんの状態・症状・部位に応じてこれらを使い分け、できるだけ痛みの少ない方法を選択しています。

薬液注入時の「ズーンとした感覚」について

神経ブロック療法を受けた方がよく表現するのが「針を刺す痛みよりも、薬液が入るときのズーンとした広がる感覚」です。これは局所麻酔薬が神経周囲に広がる際の感覚であり、痛みとは異なる「重さ・圧迫感・しびれ感」として感じられることがあります。短時間で治まることがほとんどですが、処置中に気になる感覚があれば遠慮なく担当医にお伝えください。

当院が実践する「痛みを少なくする」ための工夫

極細針の使用

当院では、施術部位に応じて22〜27ゲージといった細針を使い分けています。一般的に、深部へのアプローチになるほど細い針での治療は難しくなりますが、当院では神経ブロック注射などの深い部位に対しても23ゲージ(直径0.6mm)〜25ゲージ(直径0.5mm)を使用し、より低侵襲な治療を実現しています。

いずれも一般的な採血針(0.8mm)や献血針(1.4mm)と比べて大幅に細く、針が細いほど皮膚や組織への刺激が少なくなります。チクッとした感覚を最小限に抑えることが、注射への不安を和らげる第一歩と考えています。

事前の局所麻酔による痛みの軽減

深部へのブロック治療を行う場合、まず皮膚表面に極細針で局所麻酔を先行して行います。この局所麻酔が十分に効いてから治療用の針を進めるため、針が深部に到達する間の痛みをほとんど感じずに済むケースがほとんどです。麻酔の効きを確認しながら丁寧に処置を進めますので、万が一途中で痛みを感じた場合はすぐにお伝えください。局所麻酔を追加するなど速やかに対処します。

超音波エコー・レントゲン透視による精度の向上

神経ブロック療法の痛みや合併症リスクを低減するうえで最も重要なのは、針が正確に目的部位に届いているかをリアルタイムで確認しながら処置することです。当院では超音波エコーやレントゲン透視(Cアームなど画像ガイド)を活用し、血管・重要臓器を避けながら最短経路と最小の穿刺回数で安全に針を誘導します。画像ガイド下での処置は、盲目的(画像なし)な処置と比べて安全性・精度が大きく向上します。

刺入方法の工夫:神経鞘外ブロック療法の活用

前述のとおり、当院では患者さんの症状・状態に応じて神経鞘内・神経鞘外のアプローチを使い分けています。痛みが少なく安全性の高い神経鞘外ブロック療法を積極的に活用することで、できるだけ患者さんへの負担を抑えた治療を心がけています。初めて神経ブロック療法を受ける方や、痛みへの不安が強い方には、処置前に方法と感覚について丁寧に説明したうえで治療を進めます。

よくある質問(FAQ)

神経ブロックは何回くらい受ける必要がありますか?

症状の種類・重症度・経過によって大きく異なります。急性の痛みでは数回で改善するケースもありますが、慢性疼痛では継続的な治療が必要になることがあります。1回ずつ効果を確認しながら治療計画を立てますので、まず一度受けてみてご相談ください。

神経ブロックは保険が使えますか?

多くの神経ブロックは保険診療の対象です。初診料・再診料が別途かかります。一部の処置については自費診療となるケースもありますので、詳細は診察時にご確認ください。

施術後すぐに仕事や運転はできますか?

処置の種類・部位・局所麻酔の効き具合によって異なります。星状神経節ブロックなど比較的軽い処置では当日の日常生活に大きな支障はない場合が多いですが、硬膜外ブロックなど深部への処置後はしばらく安静にしていただく必要があります。運転については処置後の状態を確認してからとなりますので、受診当日は公共交通機関の利用をお勧めします。

どんな症状に神経ブロックが有効ですか?

腰痛・坐骨神経痛・頚部痛・帯状疱疹後神経痛・肩こり・頭痛・三叉神経痛・顔面神経麻痺・突発性難聴・多汗症など、幅広い症状・疾患に対応しています。「自分の症状が対象になるかわからない」という場合も、まずはお気軽にご相談ください。

子どもや高齢者でも受けられますか?

年齢・全身状態・症状を踏まえて適応を判断します。高齢の方でも多くの場合で対応可能です。お子さんの場合は年齢・体格・症状を確認したうえで診察時にご説明します。

まとめ|神経ブロックの不安は旭川のいいだメンタルペインクリニックへ

神経ブロックは痛い・怖いというイメージが先行しがちですが、実際の痛みは注射の種類・部位・医師の技術・クリニックの工夫によって大きく異なります。極細針の使用・事前の局所麻酔・画像ガイド下での処置・挿入方法の工夫を組み合わせることで、多くの患者さんが「思ったより痛くなかった」と感じています。

注射が怖い方にはスーパーライザーという選択肢もあります。まずは「相談だけ」という気持ちでお越しください。当院ではペインクリニック専門医・麻酔科専門医が一人ひとりの症状と不安に丁寧に向き合い、最適な治療方針をご提案します。

旭川で神経ブロックを検討されている方、不安や疑問をお持ちの方は、いいだメンタルペインクリニックへお気軽にご相談ください。

著者情報

いいだメンタルペインクリニック

ペインクリニック内科・麻酔科

理事長 飯田 高史

  • 医学博士
  • 麻酔科標榜医
  • 日本専門医機構認定麻酔科専門医
  • 日本麻酔科学会麻酔科認定医
  • 日本ペインクリニック学会専門医