休職の診断書のもらい方〜精神科受診から発行までの流れを詳しく解説
2026.02.19精神科・心療内科

休職には診断書が必要ですが、精神科や心療内科を受診したことがない方にとっては、どのように受診すればよいのか、診断書はすぐにもらえるのか、不安に感じることも多いと思います。この記事では、精神科専門医の視点から、休職の際の診断書のもらい方について丁寧に解説します。診断書の内容、受診時に伝えるべきポイント、発行までの流れなど、知っておきたい情報をまとめました。
休職の診断書とは?なぜ必要なのか
休職の診断書は、病気や怪我によって仕事を休んで療養に専念する必要性があることを、医師が証明した文書です。
病名、症状の経過、通院あるいは入院による治療の必要性、休職の期間、療養事項について記載されています。病気休業診断書と呼ばれることもあります。基本的に、診断書を交付してほしいという要望があれば、診察を行った医師は診断書を書くことになっています。これは医師法によって定められています。
診断書の提出は法律で義務付けられているのか
労働基準法には、休職の診断書の提出について規定はありません。しかし、企業が定める就業規則にあれば、診断書を提出する決まりになっています。正社員、アルバイトを問いません。
会社によっては形式的な証明で済む場合や、上司の判断で診断書なしでも休職が認められるケースも存在します。そのため、休職を検討する際はまずは勤める会社の就業規則を確認することが重要となります。
診断書に記載される内容
職場を休むために必要な記載事項は、以下の通りです。主治医と相談して、項目を増やすこともあります。
- 病名あるいは病状
- 初診の日付
- 症状の経過
- 具体的な治療の内容
- 医師が必要と判断した休職の期間
- 通院の間隔あるいは入院日数
- 医師が提案する環境調整の指示
- 療養指導の内容
休職中は定期的に医師の診察を受けるので、経過によって病名が変更になることがあります。
精神科・心療内科での診断書のもらい方
診断書をもらうためには、まず精神科や心療内科を受診する必要があります。
初めての受診で不安を感じる方も多いと思いますが、流れを知っておくことで安心して受診できるでしょう。
受診前に確認しておくべきこと
受診する前に、会社の就業規則を確認しておきましょう。診断書の提出の有無だけでなく、以下のポイントも確認しておくことをおすすめします。
- 休職可能な期間
- 休職中の会社の規定
- 休職中の会社のフォロー
事前に休職に関する情報を把握しておくことで、トラブルを避けることができます。また、診断書のフォーマットが定められている場合もあるので注意しましょう。
初診時の流れと診断書の依頼方法
初めに、あなたの体調が良くない領域に詳しい医師の診察を受けてください。メンタルが不調で仕事に行くことができない場合は、精神科あるいは心療内科の医師の診療を受けてください。
医師の診察を受けるときに、「体調が良くなくて休職をしたいので、診断書を発行してほしい」と伝えてください。診察では、症状やストレス原因をヒアリングした上で、治療法や休職期間を決めてくれます。
診断書の発行を断られる場合はありますか?
初診のため病名が確定していない場合がありますが、後日、診断名が確定したときに診断書が発行されます。一方、専門外のため、医学的判断が適切にできないときは、診断書がもらえないケースです。その場合の解決法は、詳しく診察することができる医師を探して、診断書を書いてもらうことです。
診断書は初診ですぐにもらえるのか
症状がひどく早急に休養が必要であると判断された場合は初診で診断書を発行されることもあります。ただし、病院や医師によっては休職診断書等を初診で発行できないこともあります。
また、一度の診断で精神疾患の断定ができない場合や休職等の必要性を判断できない場合にも診断書の発行ができないことがあります。
発行自体にかかる期間にも注意が必要です。診断書は即日発行できる場合から数週間かかる場合もあるので、急ぐ場合は病院へ確認をしましょう。
受診時に医師に伝えるべきポイント
診察を受ける際、医師に正確に状況を伝えることが大切です。
どのように伝えればよいのか、具体的なポイントをご紹介します。
症状を具体的に伝える
以下のような症状がある場合は、できるだけ具体的に医師に伝えましょう。
- 気分が落ち込む
- やる気が出ない
- いつも楽しめていたことにも興味がわかない
- 眠れない、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
- 集中力が落ちて頭がはたらかない
- ものごとを悪い方向に考えてしまう
- 何をするにも億劫に感じる
- 人間関係がうまくいかない
- 仕事に行く前になるとお腹が痛くなる
- 職場や学校に行けない
- 不安が強く、落ち着かない
- 息苦しい、ドキドキしたり、手が痺れる
ストレスの原因を明確にする
職場の人間関係、過重労働、ストレスなど、様々な負荷がかかり、こころと体の症状が出現します。そして、安定した睡眠がとれなくなります。ストレス要因から離れることで症状の回復が見込めるため、無理をせず休職を検討してみましょう。
日常生活に支障が出るだけではなく、仕事ができない状況になる人もいます。その場合、こころと体の休養が必要であるので、職場に休職の診断書を提出して療養に専念することがあります。
休職の希望を明確に伝える
医師に対して、休職を希望していることを明確に伝えることが大切です。「休職したい」「診断書が必要」という意思を率直に伝えましょう。当院は皆様の意見を尊重しながら、適切な診断と治療方針を決定します。
休職期間と診断書の延長について
休職期間はどのくらいになるのでしょうか。
また、延長が必要な場合はどうすればよいのでしょうか。
一般的な休職期間の目安
病気、怪我の内容によって異なりますが、暫定的に1~2ヶ月の期間を記載します。そして、さらなる療養が必要であると判断された場合には、休職期間を延長するために、追加の診断書を書きます。
個々の回復状況や症状によって異なりますが、期間は1ヶ月~3ヶ月程度とされています。診断書には「1カ月休職期間を要する」と書かれる場合が多く、症状の回復経過をみながら復帰の判断又は休職の延長をしていくことが一般的です。
休職期間の延長が必要な場合
休職期間中も、療養の経過、復職について定期的な連絡をとる必要があります。そのため、連絡手段を予め決めておくと良いでしょう。本人あるいは代理人と職場の連絡方法と間隔についても、休職の診断書に記載しておく場合もあります。
症状の回復が思わしくない場合や、復職の準備が整わない場合には、休職期間の延長を検討する必要があります。その際には、再度医師の診察を受け、追加の診断書を発行してもらいます。
診断書の費用と発行にかかる時間
診断書の発行には費用がかかります。
また、発行までの時間も医療機関によって異なります。
診断書の発行費用
診断書の発行は保険適用外で、医療費に比べると比較的高額です。当クリニックでは、以下の料金設定となっています。
- 診断書(当クリニック所定):3500円
- 診断書(持ち込み様式):5500円
- 自立支援診断書:3300円
- 精神障害者福祉手帳:6600円
- 障害者年金診断書(初回):11000円
- 障害者年金診断書(更新):6600円
- その他文書:1000円~10000円程度
全て税込です。
発行までの期間
診断書の種類や内容によって、即日記載が可能な場合もありますが、1週間程度お時間を頂く場合もあります。詳細は精神保健福祉士および医師にご相談ください。
即日発行できる場合から数週間かかる場合もあるので、急ぐ場合は病院へ確認をしましょう。
休職中に利用できる制度とサポート
休職期間中には、給与の支払いがない場合が多いです。
しかし、利用できる制度がいくつかあります。
傷病手当金について
職場で加入している健康保険から「傷病手当金」を受けられるので、活用することをおすすめします。傷病手当金は、病気やけがで仕事を休んだ際に、生活を保障するための制度です。
精神保健福祉士によるサポート
おひとりおひとりの目標に合わせて、専門知識をもつ精神保健福祉士が医療だけでなく、社会資源の利用や各種申請の支援、就労についてのお悩みなど総合的にサポートをいたします。
当クリニックでは、ソーシャルワーク面談(通院中の方)として、サービスや制度のご利用を検討されている方や就労、生活、人間関係等でお悩みの方のご相談をお受けしております。費用は10~15分で1500円(税込)、担当は精神保健福祉士です。
家族相談について
当クリニックではご家族がご本人を受診させるか悩んでいる、受診させたいが本人が受診したがらない、引きこもっていて悩んでいるなど、ご家族のことでお悩みの方々のご相談をお受けしております。お薬を処方することはできません。費用は30分で5500円(税込)、担当は医師および精神保健福祉士です。
まとめ
休職の診断書は、心身の健康を守るための大切な第一歩です。
精神科や心療内科を受診し、医師に症状を正確に伝えることで、適切な診断書を発行してもらうことができます。診断書の内容、発行までの流れ、費用、休職期間など、事前に知っておくことで、安心して休職の手続きを進めることができるでしょう。
当クリニックでは、ご来院いただく皆様のご意向を尊重しながら、適切な診断と治療方針を決定します。女性の精神科医が丁寧にお話を伺い、専門知識をもつ精神保健福祉士が総合的にサポートをいたします。心身の疲れを感じたら、一人で悩まず、まずはご相談ください。
休職は、健康的に仕事をするために必要な大切な充電期間です。十分に休養し、回復に専念することで、また元気に働ける日が必ず来ます。
著者情報
いいだメンタルペインクリニック
精神科・心療内科
副院長 安田 麻美
- 精神保健指定医
- 日本精神神経学会専門医・指導医
- 日本睡眠学会総合専門医
- 日本老年精神医学会専門医・指導医
- 日本医師会認定産業医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 北海道女性医師の会 理事