足が冷たい・しびれる原因と対処法〜血行不良から神経障害まで徹底解説
2026.02.16ペインクリニック内科・麻酔科

一年を通じて足先の冷えやしびれを感じる場合、それは単なる「冷え性」ではなく、血行不良や神経障害といった身体の異常を示すサインかもしれません。デスクワークで長時間同じ姿勢を続けている方、ストレスや不規則な生活が続いている方は特に注意が必要です。
この記事では、足が冷たい・しびれる症状の背景にある原因を詳しく解説し、ペインクリニックで行われる「腰部交感神経節ブロック」という治療法から、ご自宅でできる改善策まで幅広くご紹介します。放置すると重大な病気につながる可能性もあるため、早めの対処が肝要です。
足が冷える・しびれる主な原因とは
足の冷えやしびれは、複数の要因が絡み合って発生します。
血行不良
血管が収縮することで血液の流れが悪くなり、足先まで十分な血液が届かなくなります。デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢を続けると、血液の循環が滞りやすく、足の冷えを引き起こす一因となります。
自律神経の乱れ
自律神経は体温調節や血流をコントロールする重要な役割を担っていますが、ストレスや不規則な生活が続くと交感神経が過剰に働き、血管が収縮して血流が悪化します。寝不足や過度なストレスを感じている方は、自律神経のバランスが崩れやすく、冷え性が悪化する傾向にあります。
筋肉量の低下
筋肉は体温を維持するための熱を生み出す重要な器官ですが、筋肉量が減少すると体温の維持が難しくなり、足が冷えやすくなります。特に年齢を重ねると筋肉が自然に減少しやすいため、症状が進行することがあります。運動不足の方も筋肉量が低下し、血行が悪化しやすくなります。
ビタミンB群の欠乏
末梢神経に障害を起こし、しびれの原因となることがあります。ビタミンB1は糖質の代謝に関わり、食事が炭水化物や糖類に偏ると不足しやすくなります。ビタミンB12が不足すると、足のちくちく感、感覚消失といった症状が出ることもあります。
足が冷える・しびれる症状で考えられる病気
足が冷える症状が続く場合、それは単なる冷え性ではなく、何らかの病気が関係している可能性があります。
閉塞性動脈硬化症
足の血流が悪くなる病気です。病気が進行すると、足先が冷たく感じ、時にはしびれや痛みを伴うこともあります。動脈が狭くなることで血液の流れが阻害され、運動中などに足が冷たく感じることがあります。この病気は、高血圧や高コレステロール、喫煙が原因で進行することが多いです。
バージャー病
足の血管が炎症を起こし、血流が悪くなる病気で、喫煙が主な原因とされています。この病気になると、足が冷たく感じるだけでなく、血流が悪化して足にしびれや痛みを感じることがあります。さらに進行すると足の皮膚に潰瘍ができたり、最悪の場合は足を切断しなければならないこともあります。
甲状腺機能低下症
甲状腺が体温調節やエネルギー代謝に関わるホルモンを分泌していますが、甲状腺機能が低下すると体温調節がうまくいかず、足を含む体全体が冷えることがあります。その他にも、疲れやすい、体重が増える、肌が乾燥するなどの症状も現れることがあります。
膠原病
免疫系に関係した病気で、血管に炎症が起こり、血流が悪くなることがあります。これにより、足が冷えたり、しびれを感じることがあります。
糖尿病性神経障害
糖尿病が長期間続くと血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、神経にダメージを与えることがあります。この神経障害は、足の冷えやしびれを引き起こす原因となり、足元が冷たく感じるだけでなく、しびれやチクチクする感覚、足先に痛みが生じることもあります。
下肢冷感への腰部交感神経節ブロック療法
当院で行っている腰部交感神経節ブロックは、下肢を支配する交感神経をブロックし、下肢血行の改善・発汗の停止をもたらし、交感神経求心路が関与する疼痛を寛解させる治療法です。
この治療は、バージャー病・閉塞性動脈硬化症などの下肢の血行障害、脊柱管狭窄症による下肢の疼痛、帯状疱疹後神経痛などに効果があります。交感神経節ブロックにより血管が拡張し末梢循環が改善することで、足の冷えやしびれが緩和されます。
治療の流れ
局所麻酔を用いて主に第2、3腰椎の椎体前方に存在する交感神経節に麻酔薬を投与、効果を確認後アルコールの追加投与を行います。施術時間は比較的短く、多くの方が治療直後から血流の改善を実感されます。ただし、症状の程度や原因となる疾患によって効果の持続期間は異なるため、定期的な治療が必要になることもあります。
自宅でできる足の冷え・しびれ改善策
医療機関での治療と並行して、日常生活での工夫も重要です。
ふくらはぎの筋トレ
血行促進に効果的です。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、筋肉を鍛えることで血液を心臓に送り返すポンプ機能が高まります。椅子や壁につかまって立ち、かかとをゆっくり上げ下げする運動を1日10回程度行うと良いでしょう。通勤電車でつり革につかまりながらでもできます。
足指のツボマッサージ
足指の間には「八風(はっぷう)」というツボがあり、ここを刺激することで足が温まります。足の小指と薬指の間に手の親指を差し込み、痛気持ちいい程度の強さで3秒程度マッサージし、小指側から親指と人差し指の間まで順に行います。
お風呂の入り方
熱めのお風呂にサッと入るだけでは体の内側まで十分に温まらず、湯上りに体が冷めやすくなります。38〜40度くらいのお湯にゆっくりと時間をかけて浸かった方が、冷えには断然効果的です。週1〜2回でもお湯に浸かることを心がけましょう。時間がない場合は、足湯だけでも効果があります。
体を温める食べ物を食べる
豆腐を食べる際には、冷奴やサラダよりも湯豆腐にするなどの工夫が必要です。フルーツ類は基本的に体を冷やす傾向があるので、この時期はできるだけ控えるのが良いでしょう。間食やお酒のおつまみには、血行促進に働くビタミンEが豊富なナッツ類がおすすめです。
「首」「手首」「足首」の3つの首を冷やさない
これらの部位は太い血管が皮膚の近くを通っているため、冷やすと体温が逃げやすくなります。ネックウォーマーやタートルネック、手袋、レッグウォーマーなどを活用しましょう。
まとめ
足が冷たい・しびれる症状は、血行不良、自律神経の乱れ、筋肉量の低下など、さまざまな原因で発生します。
放置すると閉塞性動脈硬化症、バージャー病、糖尿病性神経障害といった重大な病気を見逃す可能性もあるため、早めの対処が肝要です。当院で行っている腰部交感神経節ブロックは、下肢の血行障害や疼痛に効果をもたらす治療法です。
日常生活では、ふくらはぎの筋トレ、足指のツボマッサージ、適切な入浴法、体を温める食事、3つの首を冷やさない工夫などを取り入れることで、症状の改善が期待できます。
足の冷えやしびれでお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。あなたの症状に合わせた最適な治療とアドバイスをご提供いたします。
著者情報
いいだメンタルペインクリニック
ペインクリニック内科・麻酔科
理事長 飯田 高史
- 医学博士
- 麻酔科標榜医
- 日本専門医機構認定麻酔科専門医
- 日本麻酔科学会麻酔科認定医
- 日本ペインクリニック学会専門医