首から肩にかけての痛みが続く原因とは?突然の痛みや治し方を徹底解説

2026.02.14ペインクリニック内科・麻酔科

首から肩にかけての痛みは、単なる「肩こり」や「疲労」と思われがちですが、

神経・筋肉・血流・自律神経が複雑に関与する痛みであることも少なくありません。デスクワークやスマートフォンの長時間使用が日常化した現代では、首や肩の痛みが慢性化し、生活の質を大きく低下させている方も多くみられます。

本記事では、ペインクリニック専門医の立場から首から肩にかけての痛みの原因、疾患の見分け方、そして神経ブロック療法を含む専門的な治療法まで詳しく解説します。

首から肩にかけての痛みが起こる主な原因

首から肩、腕にかけての痛みやしびれの背景には、神経が何らかの形で刺激・障害を受けているケースが多く存在します。重要なのは、どの神経が関与しているか、筋肉・骨・椎間板・自律神経のどこに原因があるのかを正確に見極めることです。

当院では、画像検査に加え、痛みの性質・誘発動作・再現性・神経学的所見を総合的に評価し、痛みの本質を判断します。

長時間のデスクワークとスマートフォン操作による姿勢不良

現代人の首・肩の痛みの最大の原因は、姿勢の悪さです。

PCやスマートフォンの作業が続くと、背中が丸くなって猫背の状態で頭が前に出た姿勢を続けてしまいがちです。人間の頭の重さは約5kgもあり、前傾姿勢になると首にかかる負担が大きくなります。

うつむいた姿勢が多いと「ストレートネック」と呼ばれる状態になりやすく、肩や首に不要な力が加わり痛みを感じます。スマホ首とも呼ばれることもあり、頚椎の自然なカーブがなくなり一直線になる状態を指します。

筋肉疲労と血流障害が引き起こす痛み

筋肉は緊張と弛緩を繰り返して血流を調整しています。

筋肉中の血流がスムーズに流れていれば筋肉に十分な酸素が供給され、疲労物質(乳酸など)はたまりません。逆に筋肉の緊張が続くと血管が圧迫され、血流が悪くなります。結果、筋肉への酸素供給が不足し、疲労物質がたまって痛みやこりなどが表れるのです。

肩こりの原因

「肩や首まわりの血行不良」「筋肉の強張り」「過度の緊張」などが挙げられます。痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤を用いた服薬治療が効果的です。また、筋肉の張りをほぐすための「トリガーポイント注射」が行われることもあります。

首の痛みが生じる主な疾患

首の痛みを引き起こす疾患には、いくつかの代表的なものがあります。

頚椎症

頚椎症は、加齢が原因となり椎間板や椎骨が変形する疾患です。

「首の痛みや肩こり」「手足のしびれ」「脱力感」などの症状が現れます。首の中にある脊柱管と呼ばれる、神経が通過するトンネルが狭くなると、脊髄が圧迫され、手や肩がしびれやすくなります。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、「加齢」「姿勢の悪さ(猫背など)」「スポーツ」などを原因とする疾患です。

骨と骨の間にある椎間板が外に飛び出してしまうと、周辺の神経が圧迫されて首の痛み、手や指に痛みやしびれが現れます。さらに脊髄が圧迫されると歩行障害を引き起こすことがあります。

首を反らすと首に痛みが起こる場合は、脊髄や神経根が圧迫されている可能性があります。首を反らすと痛みとともに腕がしびれる場合は、神経根が圧迫されている可能性が高いです。

外傷性頚部症候群(むち打ち)

外傷性頚部症候群とは、いわゆる「むち打ち」と呼ばれるものです。

交通事故などの大きな衝撃をきっかけに、首や肩に痛みが生じます。受傷後すぐに痛みが出る場合もありますが、数日後に発症するケースもあります。特に、事故の翌朝に首や肩の痛みがでることが多いです。

効果的なセルフケアと治療方法

首や肩の痛みを改善するには、痛みの原因に応じた専門的な治療を組み合わせることが重要です。当院では、痛みのメカニズムに着目し、症状を早期に和らげる治療を行います。

日常生活で意識すべきポイント

まずは首に負担がかかる生活習慣を改めることが先決です。

  • 姿勢を正す。頭が背骨の真上に来るように意識する
  • 同じ姿勢を続けない。15~30分に1回休憩を取る
  • 血流を促すため、適度に運動する
  • 首や肩を冷やしすぎない。
  • シャワーではなくお湯に浸かる。体が温まると血行が良くなる

神経ブロック療法による痛みのコントロール

神経ブロック療法は、痛みを伝える神経や、筋緊張・血流低下に関与する神経の働きを一時的に抑えることで、強い痛みを速やかに軽減する効果が期待できます。

首・肩の痛みに対しては、

  • トリガーポイント注射
  • 神経根ブロック
  • 星状神経節ブロック(交感神経ブロック)
  • 頚部硬膜外ブロック

などを症状に応じて選択します。

関連記事:痛みを緩和する神経ブロック療法の効果とは?

手術療法

一方、神経ブロック療法を試したが、症状が改善されない場合は手術が選択肢となります。

当院では「ラジオ波椎間板ヘルニア凝縮術(DART®)」という小さな穴から椎間板ヘルニアを摘出する低侵襲手術を主に行っております。治療後はそのままおかえりいただけ、治療時間も20〜30分で終了します。

関連記事:頸椎椎間板ヘルニアの日帰り手術5つのメリット

まとめ

首から肩にかけての痛みは、筋肉・神経・血流・自律神経が複雑に関与する症状です。セルフケアで改善するケースもありますが、神経が関与している場合は、早期にペインクリニックでも専門的な評価と治療を受けることが重要です。痛みを我慢せず、首・肩の痛みでお困りの方はいいだメンタルペインクリニックまでご相談ください。

著者情報

いいだメンタルペインクリニック

ペインクリニック内科・麻酔科

理事長 飯田 高史

  • 医学博士
  • 麻酔科標榜医
  • 日本専門医機構認定麻酔科専門医
  • 日本麻酔科学会麻酔科認定医
  • 日本ペインクリニック学会専門医