首の片側だけ痛い原因と対処法|右側・左側の痛みを解消する方法

2026.02.12ペインクリニック内科・麻酔科

首の片側だけ痛むのはなぜ?

首の痛みは多くの方が経験する症状ですが、特に左右どちらか片側だけに痛みを感じるケースが非常に多いのです。首は重い頭を常に支えている関節であり、日々大きな負担がかかっています。頭の重さは約4〜6kgもあり、この重みを首の筋肉や関節で支え続けているのです。そのため、ちょっとした姿勢の乱れや筋肉の緊張が、片側だけの痛みにつながりやすいのです。

この記事では、首の片側だけが痛む原因を詳しく解説し、自宅でできる効果的な対処法や予防策をご紹介します。頸椎症などの病気の可能性についても触れていますので、ぜひ最後までお読みください。

首の片側が痛くなる主な原因

首の片側だけが痛む場合、いくつかの典型的な原因が考えられます。

最も一般的なのは、日常生活での姿勢や動作が関係しているケースです。

交通事故などのむちうち

むちうちとは、交通事故のような大きな衝撃が加わることで、体がむちを打つように動いてしまう状態を指します。このような急激な衝撃により、首の関節や椎間板(背骨のクッション)、周りの筋肉などが損傷を受けます。

両側の首が痛むケースもありますが、受傷時に左右どちらかの筋肉・関節を痛めてしまい、結果として片側のみに痛みを訴えるのが一般的です。むちうちの場合、首の痛みだけでなく、腕のしびれや頭痛を伴うこともあります。

寝違えによる筋肉への負担

朝起きた時に首の痛みが出ている症状が寝違えです。

不自然な姿勢で寝ていたことで筋肉の血流が不足していたり、首をねんざして筋肉が炎症を起こしたりすることで発症します。普段、夜寝ている時に自然と横向きになっていたり、無理な姿勢で寝ていることはありませんか?

横向きで寝ている間にどちらか一方の筋肉に負担がかかり、片側に痛みが出ている可能性があるので注意が必要です。枕の高さが合わない場合も、首の片側に過度な負担がかかり痛みの原因となります。

長年の不良姿勢による筋肉・関節への負担

頭を前に傾ける・反らすなど首の角度が大きくなるにつれて、負荷は増えていきます。そのため猫背などの不良姿勢では、首の筋肉・関節への負担は自然と大きくなるのです。

さらに肩甲骨の位置など左右の姿勢に非対称性があると、どちらか一方の首に負担が増えるため片側の痛みにつながります。

特に現代では、スマートフォンやパソコンの長時間使用による「ストレートネック」が増えており、これが首の片側の痛みを引き起こす大きな要因となっています。画面を見る際に無意識に首を傾けていることも多く、それが片側への負担集中につながるのです。

首の片側が痛い場合に考えられる症状

首の片側が痛くなる原因が長年積み重なることで、首の病気を引き起こす可能性もあります。

これらの病気は放置すると重症化してしまう恐れもあるので、しっかり確認していきましょう。

骨の変形による頚椎症

頚椎症は、年齢とともに背骨のクッション(椎間板)や靭帯が変形し、神経を圧迫することで痛みなどの症状が出現する病気です。首の痛みが徐々に増したり、腕に電気が走るような痛みを伴います。

日常生活で力仕事を繰り返し行う方は、発症のリスクが高いと言われます。

頚椎症は加齢に伴う変化が主な原因ですが、長年の姿勢不良や首への負担の蓄積も発症を早める要因となります。特に片側に負担が集中していた場合、その側に強い症状が現れることがあります。

片側の肩や手に痛みを伴う頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、背骨のクッションが圧迫され髄核が飛び出ることで起こる病気です。加齢とともに組織が老化することで発症しやすく、30〜50歳代に多いと言われています。

頸椎症と同様に首の痛みが徐々に増したり、腕に電気が走るような痛みを伴います。さらには重症化すると、手術が必要になる場合もあるため注意が必要です。

椎間板ヘルニアは、飛び出した髄核が神経根を圧迫することで、片側の首から肩、腕にかけての痛みやしびれを引き起こします。手の力が入りにくくなるなどの症状が現れた場合は、早めの受診が肝要です。

頸部リンパ節腫脹

頸部リンパ節腫脹は、感染やガンまたは腫瘍が原因で起こります。リンパ節とは体の免疫をつかさどる場所で、炎症により腫れや痛みにつながります。

急に首が腫れてきたり、首元を押した時に痛みが出るのが特徴的です。10歳以下の子どもと、50〜70歳に多く発症すると言われます。

ウイルスや細菌の感染による炎症が主な原因で、抗生剤や消炎鎮痛剤によって感染が収まれば腫れも消失します。ただし、腫れが長期間続く場合や、発熱・体重減少などの症状を伴う場合は、より詳しい検査が必要になることもあります。

当院でのアプローチ

頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアによる首の痛みや腕のしびれに対し、当院では神経ブロック療法を中心とした治療を行っています。神経の圧迫そのものだけでなく、周囲の神経過敏や血流障害が痛みを増強しているケースも多く、神経根ブロックなどを用いて痛みを的確に抑えることで、症状の早期改善と慢性化の防止を図ります。パルス高周波法は効果持続時間の延長が期待できます。神経ブロックによる治療効果を評価したうえで、改善が乏しい場合や筋力低下など進行性の神経障害が認められる場合には、手術治療も重要な選択肢として検討します。外科治療が困難な場合や、効果がなかった場合には脊髄刺激療法が適応となる可能性があります。

関連記事:痛みを緩和する神経ブロック療法の効果とは?

関連記事:頸椎椎間板ヘルニアの日帰り手術5つのメリット

即効性のある痛みを和らげる方法

首の痛みは、症状が出てからの時期によって対処法が異なります。

痛みが出て間もない場合(急性期)

炎症や腫れ、熱感がある場合は冷却が有効です。

受傷から1〜3日以内は、アイスパックなどで1回15〜20分を目安に冷やしましょう。

炎症を抑えることで、痛みの長期化を防ぐ効果が期待できます。

慢性的な痛みの場合

腫れや熱感が落ち着いた慢性期には、温めることを推奨します。

血流が改善し、筋緊張が和らぐことで痛みが軽減します。

蒸しタオルやカイロ、入浴などで心地よい温度で15〜20分行いましょう。

※悪性腫瘍、循環障害、皮膚トラブルがある場合は温熱療法は避けてください。

痛みを繰り返さないための姿勢チェック

首の痛みは、姿勢の乱れが原因となっていることが多くあります。

肩の高さに左右差がある

 → 高い側の首の筋肉が過緊張している可能性

肩甲骨が前に傾いている

 → 胸の筋肉が硬く、猫背・巻き肩の影響

体をひねったときに左右差がある

 → 胸椎の可動域低下により首へ負担が集中

姿勢別・簡単ストレッチ

肩の高さに左右差がある場合

 → 斜角筋ストレッチ(首の側面を20〜30秒)

肩甲骨が前に出ている場合

 → 大胸筋ストレッチ(胸を開く)

背骨の動きが悪い場合

 → 胸郭回旋運動(体幹をひねる)

いずれも無理のない範囲で、毎日継続することが重要です。

まとめ

首の片側だけが痛む場合、その原因は様々です。

むちうち、寝違え、長年の姿勢不良など、日常生活での負担が積み重なることで痛みが生じます。また、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどの病気が隠れている可能性もあるため、症状が長引く場合や神経症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

痛みの出現から間もない時期には冷却を、慢性的な痛みには温めることが効果的です。そして何より、姿勢の乱れをチェックし、適切なストレッチを継続的に行うことで、根本的な改善と再発予防につながります。

普段の姿勢や動き方を見直し、首への負担を減らすことで、快適な毎日を過ごしていきましょう。

首の痛みでお悩みの方は、いいだメンタルペインクリニックまでお気軽にご相談ください。

著者情報

いいだメンタルペインクリニック

ペインクリニック内科・麻酔科

理事長 飯田 高史

  • 医学博士
  • 麻酔科標榜医
  • 日本専門医機構認定麻酔科専門医
  • 日本麻酔科学会麻酔科認定医
  • 日本ペインクリニック学会専門医