腰椎椎間板ヘルニア治療の成功率〜手術・保存療法の実績データと選択基準
2026.01.14ペインクリニック内科・麻酔科

腰椎椎間板ヘルニア手術の成功率はどれくらい?
腰椎椎間板ヘルニアと診断されたとき、「手術は本当に必要なのか?」「手術の成功率はどのくらいなのか?」「保存療法で治る可能性はあるのか?」こうした疑問は当然のものです。
この記事では腰椎椎間板ヘルニア手術の実際の成功率と再発の要因と再発率について、腰椎椎間板ヘルニア手術の保存療法と手術について解説していきます。
腰椎椎間板ヘルニアとは?成功率を上げるための基本知識
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板の中心部分(髄核)が外に飛び出し、神経を圧迫する状態です。腰椎椎間板は本来、背骨のクッションとして機能していますが、加齢や姿勢不良、重労働などによってストレスがかかると、繊維輪に亀裂が生じ、中心の髄核が飛び出してしまうのです。
主な症状と発症部位
お尻や足に痛みやしびれが生じます。
発症の主な原因
腰椎椎間板に圧力がかかる動作の繰り返し、加齢による椎間板の水分減少、長時間の前かがみや中腰姿勢、重い物を持つ作業などが代表的です。
腰椎椎間板ヘルニア手術の成功率と再発率
腰椎椎間板ヘルニアの手術は本当に成功するのかデータを参照し解説します。
腰椎椎間板ヘルニア手術の成功率
腰椎椎間板ヘルニア手術の成功率は約70%です。ここでいう「成功」とは、主に神経症状(痛みやしびれ)が軽減・消失し、日常生活がスムーズに送れるようになることを指します。
しかし注意が必要なのは、「成功率=完治率」ではないという点です。術後の回復度合いや日常動作への影響は個人差が大きく、一時的に症状が改善しても、根本的な原因が残っていれば再発の可能性があります。
腰椎椎間板ヘルニア手術の再発率
手術後の再発率は約15%と報告されています。参考文献によると、初回の腰椎椎間板ヘルニア手術後5年以内に、約10%の患者が再手術を受けているとされています。
さらに注目すべきは、一度再手術を受けた患者の再々手術率です。直近の研究では、再手術後5年以内にさらなる手術が必要になる割合は18.2%と、初回手術後の再発率よりも高い結果が出ています。
特に手術後1年以内の再発リスクが最も高く、時間の経過とともにリスクは減少する傾向にあります。これは、手術による組織の回復が進むにつれ、再発の可能性が下がるためと考えられます。
腰椎椎間板ヘルニア再発の主なリスク要因
| 要因 | 内容 |
| 肥満 | 体重が重いと腰椎椎間板への負担が増加し、再発しやすくなります。研究によると、肥満の患者は通常体重の患者よりも約12%高い確率で再手術が必要になることが報告されています。 |
| 合併症(慢性疾患) | 高血圧や糖尿病などの持病を持つ患者では、血流や炎症の影響により再発リスクが高まります。 |
| 年齢 | 意外にも高齢者よりも若年層の方が再発率が高く、特に活動量の多い20〜40代で再手術が必要となる例が多くみられます。 |
| 性別 | 男性よりも女性の方がわずかに再発率が高い傾向があります。ホルモンバランスや骨盤構造の違いが関与していると考えられます。 |
関連記事:ヘルニア再手術の判断基準とは?再発時に知っておくべき5つのポイント
腰椎椎間板ヘルニア手術が必要になるケース
実は腰椎椎間板ヘルニアの約80%は保存療法で自然治癒するというデータもあります。
保存療法の成功率
腰椎椎間板ヘルニアの80%は自然治癒するという事実は、保存療法の有効性を示しています。無症状の腰椎椎間板ヘルニアが、腰椎のどの高位にも30%前後存在しているという研究結果もあります。
つまり、画像上で腰椎椎間板ヘルニアが認められても、それが必ずしも痛みを引き起こしているとは限らないのです。したがって、「画像上、腰椎椎間板ヘルニアが認められるから、それが痛みを惹起しているので治療を要する」という事にはならないのです。
では、どのような場合に手術が必要になるのでしょうか?
保存療法無効のケース
保存療法を6か月以上継続しても改善しない強い痛みやしびれがある場合、手術が検討されます。ただし、この判断には慎重さが求められます。
当院では、保存療法の期間中も定期的に症状を評価し、患者さまのご来院いただく皆様の生活の質を考慮しながら、最適な治療方針を一緒に考えていきます。
個人的・社会的背景を考慮した判断
保存療法の期間であっても、患者さまの個人的、社会的な背景を考慮した場合、手術を行うことが可能です。仕事の都合などで早期復帰を希望される場合などが該当します。
ただし、この場合は本人が納得して決断することが重要です。手術にはリスクも伴うため、十分な説明と理解のもとで選択する必要があります。
腰椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげるための当院の治療法
いいだメンタルペインクリニックでは、麻酔科・ペインクリニックの専門性を活かした治療を提供しています。
神経ブロック療法を中心とした疼痛管理
神経ブロックは、痛みの原因となっている神経やその周辺に薬剤を注入し、痛みを一時的に抑える治療法です。
当院の主な手術
保存療法で改善が見られない場合や、緊急性の高い症状がある場合は、当院では主に「ラジオ波椎間板ヘルニア凝縮術(DISC-FX/DART)」という方法を採用しております。低侵襲で短時間で済む治療のため、ご負担も少なく日帰りでお受けいただけます。
関連記事:椎間板ヘルニアの日帰り手術とは
まとめ〜治療選択の重要ポイント
手術の成功率は約70%、再発率は約15%というデータがあります。一方、保存療法で約80%が自然治癒するという事実もあります。
保存療法で改善が見込めない場合は手術を検討しましょう。また再発防止のために治療後は適切な生活習慣を心がけましょう。
当院では、患者さま一人ひとりの症状や生活背景に合わせた最適な治療法をご提案します。
腰椎椎間板ヘルニアでお悩みの方は、ぜひ一度いいだメンタルペインクリニックにご相談ください。
参考文献:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1878875018312907?via%3Dihub
著者情報
いいだメンタルペインクリニック
ペインクリニック内科・麻酔科
理事長 飯田 高史
- 医学博士
- 麻酔科標榜医
- 日本専門医機構認定麻酔科専門医
- 日本麻酔科学会麻酔科認定医
- 日本ペインクリニック学会専門医